<特集>勤務医年収アップ事例3 勤務条件が柔軟な医療機関で高収入を実現|医師転職比較センター最新ランキング

<特集>勤務医年収アップ事例3 勤務条件が柔軟な医療機関で高収入を実現

最後に紹介するのは、医師のモチベーションをあげるような給与体系を設定している医療機関への転職事例です。文末の解説では、手術へのインセンティブなど、給与に工夫がしやすい医療機関の特徴を考察します。

経営不振で転職を決意、将来の開業を見据え年収2,500万円以上を希望

山下氏が勤めていたE産婦人科クリニックはかつて、高級感を打ち出した内装やサービスで著名人の利用も多く、業界でも高い知名度を誇る医療機関でした。山下氏は将来開業を検討しており、経営ノウハウを学ぼうと7年前に入職。ところが、少子化傾向に伴う医業収入の減少に加え、産婦人科を標榜する近隣の医療機関との競争も激化し、同院の経営にはやがて暗雲が立ち込めました。患者が減少し、経営状況に対する不安が院内にも充満する中で、今後の方針をめぐって経営層の衝突も相次ぐ状況でした。

山下氏は「今後も昇給は見込めそうもない上に、必要な経験もこれ以上は身につけられないだろう」と、別のクリニックへの転職を決意。40代前半という年齢もあって近い将来の開業も意識し、年収は、E産婦人科クリニックでもらっていた2,500万円と同等かそれ以上を希望することにしました。

医師のモチベーションを高める給与体系を整備していたクリニックへ

40代前半の働き盛りにあり、勤務環境はある程度ハードでも良いと考えていた山下氏。分娩を取り扱う産婦人科医は全体的に不足していることもあり、気になる医療機関にいくつか応募したところ、複数の内定を獲得することができました。

その中で、最終的に就任したのは、週4.5日勤務、当直月5回で3,000万円の年収を提示したF産婦人科クリニック。複数のクリニックを運営しはじめるなど、法人として成長段階にもあったため、医師個々人が主体性をもって業務をこなせるように制度を整えている医療機関でした。高度不妊治療にも取り組んでいる法人だったので、不妊から分娩までの臨床を診られることも魅力的でした。

F産婦人科クリニックが特徴的だったのは、業績と医師の収入を連動させる方針を鮮明に打ち出し、制度化していたことです。山下氏の勤務日数から、対応分娩数などを見積もった上で年収を提示したのはもちろん、見積もりを超えた分の分娩件数については、それに応じたインセンティブを支給することも約束し、緊急手術など勤務枠を超過する勤務への手当も入職時の契約書に盛り込みました。

助産師の数も多く、サポート体制も充実していたF産婦人科クリニック。医師個々人の実績に対する評価が明確に給与に現れることから、山下氏は納得感を持って働くことができているようです。

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