<特集>勤務医年収アップ事例2 地方勤務で高収入を実現

医師の招へいに力を入れている地方には、都市部よりも高額な年俸を提示したり、柔軟な雇用条件を組んでくれたり

する好条件の医療機関も。「地方=激務」というイメージを払しょくしようと医師の負担軽減に積極的な医療機関も多く、「想像していたよりもQOLのしっかりしたライフスタイルが送れている」と話す医師も多いようです。

地方勤務で高収入を実現

現職で昇給が見込めず、子どもの医学部入学を機に転職を決意

10年以上におよぶ研究者としてのキャリアに節目を迎え、沼田氏がC病院に移ってきたのは3年前。入職時にC病院から提示された年収は1,700万円と、研究者時代よりも大幅にアップしたこともあって、沼田氏は内定をすぐに受諾。臨床に一定のブランクはあったものの、これまでもスポット勤務で現場には出ていたため、病棟管理・外来業務を中心に、難なくこなすことができました。

ただ、C病院で3年ほど働いてみて、なかなか昇給が見込めないことに沼田氏は不満を持つようになりました。入職前は想定していなかったような急な呼び出しや管理業務も増え、当直日数も徐々に増えていく現状に、「入職時に雇用契約書で細かく条件を詰めておくべきだった」と、反省するようになりました。

高校生になる息子が医学部進学を控えていたという事情もあり、沼田氏はより高収入な医療機関への転職を決意。しかし、都市部では現職以上の年収を提示している求人を見つけられず、地方の医療機関も視野に、転職先を検討することにしました。

地方への転職で留意したポイント

地方の医療機関への転職に当たって沼田氏が悩んだのは、「プライベートの時間をきちんと確保できるかどうか」。既に都市部に戸建て住宅を購入していたこともあり、単身赴任を覚悟していた沼田氏。せめて月に2回は家族のもとに帰れるくら

いのゆとりは欲しいと、週4日の連続勤務を希望していました。しかし、医師不足地域の医療機関ほど、急な呼び出しにも応じてくれるような医師を求める傾向にあることは分かっていたため、プライベートがどこまで確保できるかは、不安も大きかったといいます。

沼田氏は「とりあえずは年収のことを一番に考えて、転職先を探そう」と心に決め、これまでC病院でしてきたような外来・病棟管理が中心の求人を、いくつか見てみることにしました。あまり事情を知らない、遠く離れた土地の医療機関の情報を収集するのは大変でしたが、人材紹介会社の求人ポータルサイトを見たり、キャリアコンサルタントに問い合わせてみたりして、条件にマッチする求人を探しました。

地方勤務1
地方勤務2
地方勤務3

「常勤医のプライベート確保」がウリの病院へ転職サポート面で嬉しい誤算も

キャリアコンサルタントのメールに記載されていた求人の中で沼田氏の目に留まったのは、都市部から飛行機で1時間ほどの医師不足地域にあるD病院。多くの医師を招へいしようと工夫を凝らしている医療機関でした。

「非常勤医師との連携で、常勤医師のプライベートを充実させている」というのが、D病院のウリ。非常勤医が手術にも積極的に協力することで常勤医の負担を軽減しているほか、週末の業務についても非常勤医師が行うため、常勤医師は確実

に休みを確保できるという体制をとっていました。キャリアコンサルタントから「他の常勤医にも単身赴任者は多いが、実際に週末は都市部の自宅に帰っている」と聞き、沼田氏は同院に応募。内定を受け、入職に至りました。

D病院が沼田氏に提示した年収は2,200万円。業務は外来が中心でした。雇用契約書もしっかり締結し、週4日連続勤務という形態で働き続けることを明文化してくれました。

地方での単身赴任を考慮し、D病院は沼田氏に、住宅補助・マイカー支給を行うことも決めました。こうした補助は当初の求人にはないものでしたが、医師の定着にも力を入れる同院では、医師に応じてかなり柔軟にサポート体制を築いているとのことでした。

現在、地域医療に従事しながら月2回は都市部の自宅に帰り、プライベートも充実させている沼田氏。当初は住みなれない土地に戸惑うこともあったようですが、現在では患者に顔なじみも増え、充実した生活を送っているようです。

解説医師の待遇を整える地方の医療機関

地方の医療機関が好待遇で医師を採用する背景には、医師不足という切実な問題もありますが、「地代が都市部ほど掛からないため、その分を人件費や労働環境整備のために使える」という側面もあるようです。

今回紹介したD病院のように、一般の転職市場に公開している求人には「住宅補助・マイカー支給」といった補助を明示していなくても、条件交渉を進める中で、個々人の事情に配慮したサポートを検討してくれるケースもあります。

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